前回は失礼しました。前回の話す【ペース】に引き続き今回は【動作】についてご説明します。喫茶店やファミレスなどで向かい合って座って仲良さそうに話すカップルやお友達同士のしぐさを観察されたことありますか?まあ普通はそんな事しませんよね。怪しい人になってしまいます(笑)。ただ機会があったらさりげなく見てみて下さい。結構双方のしぐさ・動作がシンクロしていることにお気づきになるかと思います。一方がコーヒーカップを取ったらもう一方も自分の飲み物を手にしたり、携帯を手に取ったらもう一方も…おまけに一方が前のめりになったらもう一方も前のめりに、といった具合です。
これらも前回同様目の前の心を許した仲間に対しては同化しようという無意識の作用が働いた結果の行動になります。不思議なことに本人たちは全く意識していないのですが、周りから見ると同じ動作をしている二人という事になります。順番は「心を許せる仲間だ→(同化するため)同じ行動をとる」という事になりますが、前回同様これも「逆も真なり」の理屈が働きます。つまり「目の前の人と行動が同じ→この人は心を許せる仲間だ」と無意識に思います。
この習性を活用したのがNLPにおいて「ミラーリング」と呼ばれている手法です。目の前の会話相手がする動作と同じ動作をあたかも自身が目の前の相手の鏡になった様に真似することで、目の前の相手は心地の良い空間に感じ、落ち着きます(前回同様これをコンフォートゾーンといいます)。
通常、優秀な営業マンは特に意識をしていなくても「目の前のお客様に寄り添いたい。仲良くなりたい」という想いから無意識にこのミラーリングを行っているケースが多いです。しかし、中にはこの習性を理解・悪用し意図的に駆使し顧客を取り込み騙す悪人もいるようです。相手のさりげない仕草にも明確な意図が込められていることがありますので、皆様くれぐれもお気を付けくださいませ。