具体的な手法に入っていきます。今回は話す【スピード】です。ちなみにご自身の会話のスピードって意識されたことはありますか?「自分は早口だ」とか「割とゆっくりとしゃべるほう」位の感覚はあるかもしれませんね。当然ですが世の中には早口の方もゆっくりの方もいらっしゃいます。皆様のお友達やご同僚も然りです。そんな中でご自身とは話すスピードの違うお友達との会話はどんな状況になるかご想像つきますでしょうか?
不思議なことに相手との仲が良くなると話すスピードもお互いに歩み寄っていきます。これは無意識です。無意識に早口の人は目の前の仲の良い友人のゆっくりのスピードにアジャストします。逆も然りです。つまりゆっくりと話す人も目の前の仲の良い早口の友人に無意識にアジャストし少し早口になります。
このようにお互いに心を許している仲では無意識に相手に同化しようという作用があります。ところがそれはあくまでもすでに仲が良くなった状態。つまり相手が「自分と同質の人だ」という無意識レベルの認識がある状態での話です。そうなる前の状態、極端に言えば初対面の場合等はこの「話すスピードの違い」はストレスになります。そう「異質感」を感じるのです。具体的には例えば早口のお客様にゆっくり話す営業マンが応対するとどうなるでしょうか?お客様は自分の発言の後にすぐレスポンスが欲しいのにゆっくりしたテンポで返ってくると営業マンに対して「イライラ」します。実際「あの営業マンと話してるとだんだんイライラしてくるんだよね!」という早口のお客様の発言をよく聞きます。逆にゆっくり話すお客様に早口の営業マンが応対するとどうでしょう?お客様は営業マンにまくしたてられていると感じ恐怖心・警戒心を抱いてしまいます。「こっちがまだ考えてるのに機関銃のように話してくるんです」という女性のお客様に警戒されてしまったこのような失敗例もよく聞きます。
優秀な営業マンは「お客様に寄り添う」という気持ちで応対しており、話すスピードも無意識にお客様にアジャストします。これにより早口のお客様はテンポの良い会話に心地良さを感じ、ゆっくり考えるお客様は自分の意見を充分聞き、考えたうえで返答してくれる事に安心感を感じ、それぞれ「同質感」を無意識に感じ取り心を開く方向に舵を切ってくれます。
指導される先生方も是非お試しください。目の前の生徒さんが早口だったら頑張って意図的に早く、ゆっくり考えるタイプであれば我慢して意図的にゆっくりと返してあげると会話の一体感が出ると思います。次回は「動作」についてご紹介していきます!