おはようございます。小まとめもあわせると20回近いシリーズになりましたが部長さんの役割のまとめをしたいと思います。マネージメントという視点から見たアプローチを試みてきました。吹奏楽部を管理・運営するという点で部長に求められる役割は下記の3つでした。
A:パートリーダーを管理する役割
B:各パートリーダーのメンバーへの指導を教育・支援する
1:リーダーズミーティングを活用する
(1)抽象的な回答は具体化する ⇒質問ワードは「何が?」
(2)「どうして?」、「どうしたら?」の質問の活用
(3)「他には?」と聞いてみる。
2:その日のパート練習の目標・目的を言わせる
C:パートリーダーの心の支えになる
是非整理してトライしてみて頂けると嬉しいです。特にBとCを手掛けてみる事により部長さんの運営能力、そしてその結果人間力において飛躍的な成長を遂げる事と思います。指導者の先生方は是非その様に導いてあげて頂きたいと切に思います。
何度も言いますがこれらは理想論に見えるかもしれませんが、最初から100点を狙う必要はないのです。むしろ大事なのはこういったリーダー像のビジョンをしっかりと指導者の方が持ってあげて部長さんを育ててあげる事です。ここに向かって取り組み始めて、結果的に例えば50点の出来であったとしても現状と比べるととてつもない進化をしたことになると思いませんか?
これによって培われた部長さんの指導力、コミュニケーション力、共感力、そして高い抽象度の視点などは全て今後の人生において強力な武器となるでしょう。もう常識にはなっていますが高校や大学の推薦選考において、又企業の面接においても部活のリーダーは基礎点が高くなります。その部活が強豪校であったり規模が大きかったりした場合はなおさら有利です。何故でしょうか? それは面接する側の人間にとってリーダー経験者は上記の能力が他の人よりも高いかあるいは成長したとみているからです。言葉は悪いですが【単にそのポジションを経験しただけ】でもこのような下駄を履かせてもらえます。それだけ社会はこういった人材や能力に渇望しているとも言えます。
しかしここで経験を積んで成長した部長さんの場合はいかがでしょうか?単に【そのポジションを経験した】どころではありません。理想のゴールからしたら50点だったかもしれませんが、一般的な部長さんとはスタートの視点から違いますので上記の能力においては、全くレベルが違っているはずです。「リーダーを経験した」だけではなくて「リーダーとしての能力(実力)を向上させた」事になるのです。この事が何を意味するか? それは「選考に受かりやすい」だけでなく「受かった後その団体や社会で活躍できる」能力を身に付けたという事なのです。
いかがでしょう?すごい事だと思いませんか?指導者のこういった視点に立った指導によって1年という期間、部長さんは貴重なトライアンドエラーの経験を通じて財産ともいえる能力や視点を身に付けていくのです。その能力は正に社会に求められている能力であり、次なるステージでもいかんなく発揮する事でしょう。そしてこの能力はAIに取って替わられることもありません。これからの新時代、正にこういった人材を一人でも多く輩出することが我々大人の使命ではないでしょうか?