先週までに部長さんの役割をご紹介しました。組織図という事で色々な役職について例示していこうとも思いましたが、それぞれの役職の在り方や形態はそれこそ団体によってまちまちである事。そしてアプローチの考え方は部長さんのケースと同じであることから個別の紹介は割愛いたします。指導者の先生に是非トライして頂きたい、組織づくりの考え方のまとめを記して組織図コンテンツのまとめとしたいと思います。

1:どのような組織になって欲しいのか?特にリーダーにはどうなって欲しいのか?を明確にする

 まずは指導者の先生がどのような組織と(生徒さんの)リーダーシップを望むのか?について明確にしていきます。部長という役職であれば、先日までの章を参照して頂きながら「ここまでのレベルにチャレンジしてほしい」、といったような事を書き出してまとめていくと良いと思います。結果的に「部長を始め各リーダー達のリーダーシップによって部全体の雰囲気は〇〇という感じになっている」というイメージを言語化する事から始まります。

2:1に基づいてそれぞれのリーダーの役職について【その役割】を明確にする。

 もう何度も本文中でも申し上げていますのでご理解頂いていると思いますが役割と仕事は違います。まずは役割の定義をはっきりとさせる事です。「この部活の部長の役割は?」と書き出していきます。その決定を受けて副部長の役割、セクションリーダー、パートリーダーとそれぞれ役割を定義して書き出し言語化します。ここで大事な事は「この子達に出来るかどうか」ではなく「こうなってくれたら素晴らしい!!」と思える基準で決定することです。

3:2で言語化した役割がきちんと全うされたら1の言語化した目標が達成されるのか?を検証する

4:言語化した各リーダーの役割を改めて本人たちに伝え理解させる

 個人面談や別の機会を設けて各リーダーに伝えて理解させて下さい。ここで大事な事は【反復と忍耐】です。「伝える」のは簡単ですが「理解させる」のはとても時間と労力が要る作業です。「わかってくれただろう」という事の結果のほとんどは失望に終わります(笑)。山本五十六の有名なくだり「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」の通りです。

 以上になります。新たな枠組みへの挑戦であればあるほど最初の頃は、浸透させるのに苦労されると思います。しかしここを乗り越えた際には素晴らしい人材と組織の成長が見られるはずです。最後に先程の山本五十六のくだりのとても素敵な全文をご紹介して組織図の結びとさせて頂きます。

やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、 信頼せねば、人は実らず。
山本五十六