おはようございます。今日は音楽界特有の「演奏面での責任者」の側面から部長の役割について因数分解していきたいと思います。
実は私自身の高校の吹奏楽部は代々生徒の自治による運営が伝統でした。顧問の先生はほぼノータッチ。一部外部講師の先生に指揮はお願いしていましたが、それでも定期演奏会の指揮者は主に最高学年の学生指揮者が振ります。ですので学生指揮者のポジションと部長のポジションはそれぞれ別な人間が務めていました。つまり「演奏面の責任者は学生指揮者、それ以外の責任者は部長」といった区分けが出来ていたわけです。
それに対して顧問の先生が指揮者の役割をしている団体では、部長さんに音楽面の指導を自らの代わりに任命する例がある様です。指導者である自分がいない間に部長さんに「こういう練習をやっておいて」、ですとか「こういう所を改善しておいて」というように音楽面での自らの代役として部長さんに音楽的な指導を求めるのです。こういう場合の部長さんの役割は「音楽トレーナー」という事になりますよね。
この場合部長さんは生徒群の責任者だけでなく音楽トレーナーとしての責務も負いますので相当な負担にはなるでしょうね。 実は昔から不思議に思っていたことですが、なぜか楽器が上手な方が部長に選ばれることが多いのは(実際多くないですか?)、確かにこの役割があるのが理由なのかもしれませんね。
いずれにしてもその団体の部長さんは音楽トレーナーとしての責務を負うのか?それ以外の役割で良いのか?ここをはっきりさせることによって部長さんが取組み成長しなければならない内容が変わってきます。
もし音楽トレーナーの責務を果たさなければならない場合は、一から指導者に指導を受ける必要があります。楽器が上手なのと全体合奏をトレーニングするのは全く別の技術です。楽器は上手でも、いきなり合奏を指揮して練習を仕切るなんてことは普通出来ません。素人ですから。なので指導者の先生は最初は特に是非具体的に指示をしてあげて下さい。【どの曲のどの箇所が】、【現在何が問題で】、【その原因は恐らく〇〇で】、【それを確認して本人たちにもわからせて】、【そしてその部分の問題を解決してほしい】。 最低限この位咀嚼しないと無駄な合奏時間になってしまいますし、部長さんが可哀そうです。
いかがでしょう?音楽トレーナーを任せる場合はとにかく具体的に教えてあげて下さい。【指導者が部長の指導の仕方を指導する】。これが私が考える新時代の吹奏楽の組織論の第一歩になる行動です。まずは指導の仕方を指導してあげて下さい。
明日に続きます。