おはようございます。昨日は完全に行くと決心すると様々な感情が出て元のさやに納まらせる抵抗が生じるとお話ししました。その中でどのようにしていけば良いか?とご説明差し上げる旨の予告をしました。今日はその前に本当にそんな抵抗が出るのか?という事について基本的なコンフォートゾーンのメカニズムのおさらいから説明していきたいと思います。

コンフォートゾーンとは「こうあるのが自分らしい」と無意識に形成している安心領域の事です。苫米地博士はこれを「物理空間」と「情報空間」に分けて説明しています。物理空間では例えば自身の「平熱」や「体重」等が挙げられます。これらは何も意識しなくても上限と下限が設定されておりその範囲に収まるように調整されています。いわゆる「自律神経」といわれるものが物理空間でのコンフォートゾーン形成の働きをしています。そして情報空間でもコンフォートゾーンは働いています。「脳が無意識に考える自分らしさ」にも上限や下限が存在しその中に納まっていることが「安心領域」ということになります。例えば毎回のテストの点数やゴルフのスコアなどはこのコンフォートゾーンの影響を受けています。平均点が60点の方は70点で喜び、50点で残念がりますが最終的には平均して60点になるようになっています。90点や30点を取ることは稀です。一度取ったとしてもすぐに元の60点平均に戻っていきます。ゴルフのスコアも然りでスコアが100平均の方は調子が良い時には90、調子を崩して110。こんな感じでしょうか?

ここでの特徴は上限であれ下限であれそこから出てしまった状態を「危機状態・不快状態」と判断する事です。平熱を例にとるとそれに対し高くなっても低くなっても「危機状態」になりますよね?「ゴルフのスコアやテストの点は上限を超えたい」と思っているのは意識の上での話で、無意識の世界では自分らしさを維持する上では、この上限越えの現象も同様に「危機状態・不快状態」になります。そして本来の自分のゾーンに引き戻す作用が始まります。これをホメオスタシス=恒常性維持機能と言います。

さて、昨日の例に話を戻しますと「全国大会行くぞ!」と全員で叫ぶとモチベーションは上がりますが、一晩寝ると元に戻ります(笑)。しかし本気で行くと決めアクションを起こし始めるとホメオスタシスが働き始めます。例えばこんなアクションを起こしてみて下さい。

1:全国大会までのスケジュールと開催場所を全て調べる。

2:出場を前提にした年間予定表を作成する。

3:開催場所によってバスのチャーターが必要な場合など交通手段と予算を確認する。バスなどは出来れば予約しておく。

4:遠隔地で宿泊が必要な場合はホテルなどに連絡し人数分を予約しておく

5:学校側に出場した場合の予算を告げ支出可能の状況を聞いておく

6:保護者会を開き全国大会までの予定と必要な集金額など予めコンセンサスを得る

まずは、ざっとこんな感じです。この辺りのアクションを起こし始めると一般的にはこんな感情が沸き起こってくるのではないでしょうか? 「こんな事して大丈夫か?」「実力も伴ってないのにホテルの予約なんかしていいのか?そもそも意味があるのか?他にやるべき事があるのではないか?」「行けなくてキャンセルになったら迷惑がかかるんじゃないか」「学校側にこんな事打診して大丈夫か?」「保護者まで集めてこんな話をしてもし行けなかったらどうしよう」....

上記のような感情がこれでもかという位に出てきます。特に日本人はその教育から「差し出がましい・分不相応な・出過ぎた」振る舞いといったものに対する抵抗感が強いです。しかしこれこそがホメオスタシスの思うつぼなのです。 よくよく上記のアクションを見ると本人(達)以外の周囲からしたら大した話ではありません。キャンセルは1か月前にすればキャンセル料も迷惑も掛かりませんし、学校側に予算を確認する事なども別に確認するだけですから問題もないですよね。保護者会に関しても「今年はこの予定で頑張る」と宣言するわけですからむしろ応援して頂ける保護者の方もたくさん現れるでしょう。ひょっとしたらボランティアで楽器を教えてくれる経験者を紹介してくれるかもしれません。にもかかわらずとにかくネガティブな感情が支配します。そして何とかそのアクションを中止させこのままのコンフォートゾーンに収めさせるように働くのがホメオスタシスなのです。

もし上記のアクションを起こす、もしくは起こそうとした時このようなネガティブな感情や恐怖感が出てきたら「いよいよ本物が現れた」と思って下さい。まずはこの感情の出現を理解することが克服の第一歩なのです。