おはようございます。昨日は強豪校との合同練習によるコンフォートゾーン推移のメカニズムをご説明しました。その威力もご理解頂けたと思いますが、効果を最大限にするために今日はその捕捉をします。折角の機会を最大限に活用できるようにご留意頂ければと思います。

1:合奏見学の時間をなるべく短くする

 強豪校への練習見学はほとんどの場合全体合奏の見学がメインになると思います。全国レベルの全体合奏のサウンドを間近で聴くのはとても楽しみな瞬間です。しかし生徒さんのコンフォートゾーンの推移という観点で考えると、滞在時間ほどの効果はありません。ほとんどが指導者の先生の勉強の時間になってしまいます。生徒さんの立場からすると最初に聞こえてきたサウンドの圧倒的な違いと全体合奏の雰囲気を感じ取れればそれで充分な気がします。自分のパートと強豪校のパートの比較で考えるととにかく全体合奏ではブレンドされてしまうためわかりにくいのです。又楽曲の場合休符の箇所が長ければそこも時間のロスになってしまいます。なので可能であればなるべく全体合奏の割合の低い日に訪問することをお勧めします。

2:パート練習での見学・合同練習・交流をメインにする

 全体合奏の時間を削ってどこに充てていくかというと、パート練習になります。ここでの時間は生徒さんにとって最も比較し易く、得られるものが多い機会になるでしょう。是非この機会を実現させてあげて下さい。まず先生がいない環境で上級生を中心にした統率の取れた練習の雰囲気を感じ取れます。特に3年生には刺激になるでしょう。そして昨日も述べましたが特に1年生がしっかり吹けている事にビックリされると思います。とにかく全体合奏ではわかりにくかった1人1人の技術が露骨に出ますので、この機会でまずは自分達との違いを感じ取れるようにして下さい。そして、合同練習という表記をしましたが出来れば少しの時間、あるいは基礎練習などでもいいので一緒に楽器を吹く時間を設けられればベストです。許されるならば録音を必ずしましょう!後日繰り返し聞き返せば一層高い効果が出ます。

 そして生徒さんには予め質問を準備させておいて「質問タイム」を設けましょう。この質問タイム自体には意味があまりなく、会話をスムーズに開始するための工夫です。要は休憩時間でも良いのですが3年生同志などで仲良くなれる会話を出来るようになることが最大の狙いです。生身の生徒さんと会話し自身と同じ部分をたくさん感じ取ることが「同化」するためにとても大事な事です。とにかくこの同化するための交流はとても大事な機会なので「恥ずかしかったから声を掛けられなかった」などということが無いように、質問の準備含め対策を予めしてあげて下さい。最終的には強豪校の演奏会やコンクールの会場などで再会した際、手を振りながら「久しぶり~」と言い合える関係になれることがゴールです。

以上が補足事項です。強豪校の先生や生徒さんの協力が不可欠ですが、何とか2~3回の訪問を実現させて下さい。その威力は生徒さんの変化を見れば一目瞭然だと思います。乞うご期待!