前回、是非ご自身の演奏を録音しましょう!そして模範演奏と聞き比べましょう!と申し上げました。その流れを受けて折角なので聴力という事についての考えをお話ししたいと思います。

ここでいう聴力とは健康診断などで測定するいわゆるフィジカルなものではありません。例えば街中の音やBGMなども音楽経験者は自然にその音が耳に入ってくることが一般の方よりも多いと思います。絶対音感をお持ちの方はバスのクラクションなども「あっ、この音はCだ」などと判別しています。つまり我々の音に対する意識の強さ、或いは、集中力によって聞き分け能力などが変わってくると思っています。前回の内容で「聞き比べはしたが違いがよくわからない」というスタートかもしれません。でも安心して下さい。最初はよくわからなくてもある程度反復して聞いていくと段々と違いが判ってきます。いくら聞いても違いが全く分からなければそれはご自身のレベルがお手本の方と同等のレベルだという事です(笑)。多くの場合はそんな事はなく、違いが意識しきれていないという事ですのでまずは反復して聞き続けてみましょう。

中学3年の冬に初めて吹奏楽コンクールの全国大会のレコード(時代ですな)を買いました。そこには金賞、銀賞、銅賞それぞれの学校の演奏がありましたが、初めて聞いたときは「何だこれ?全部うまいじゃん!どうしてこの中から賞が分かれるの?」という感想でした。しかし何回となく聞きこんでいくうちにだんだんとミスや音程やリズムのズレなどそれぞれの違いが見えてきます。こうして段々と音楽の詳細について意識を向けられるようになってきます。特に日が浅い方はコンクールの本番を聴いてレベル感が判らず戸惑うことも多いかと思いますが大丈夫です!みんなそこからスタートしています。聞きこむことによって段々とその聴き方や集中力も慣れてきますからまずは反復して聞き「聴力を鍛える」トレーニングをしてみてはいかがでしょうか?