同質感を感じるファクターとしていくつかありますが、大まかにあげていきますと例えば出身地、学校、共通の友人、趣味、好きなタレントなどなど...そしてこれに限らず例えば動作や話す速度、そして表現方法などもその判断材料になっていきます。これらを無意識に感じて安心するか警戒するかを決定しているのです。
これは私見ではありますが、実は人の判断は感情が先に立ち、理屈はその後付けになると思っています。瞬間で「この人は生理的に嫌だ」とか「怪しそう」などと思った瞬間から、その感情を正当化するように理屈付けしていきます。先生と生徒の場合は「この先生怖い」と無意識に感じた瞬間から自己を防御・防衛する言動や解釈になります。
セールス世界ではよく「第一印象が大事」と言われていますが、初対面における第一印象は一体どの位の時間で決まるのだろう?という点は諸説紛々としています。ある説では5秒だったり、ある説では数分だったり私も正解はよくわかりません。しかし第一印象というだけあってそれほど時間は要さないということは確かなようです。昔TV番組での実験を見たのですが、第一印象が悪い人がその後印象を回復するのにとても長い時間を要す内容でした。確かチャラい恰好をした演者が被験者と面談し、その後の話の内容で実はその演者の性格は実直で信頼がおける人と思ってもらえるか?みたいな内容だったと思いますが、とにかく第一印象を覆すのはとても難しく、そして労力が要る作業であるようです。これがセールスマンがその服装や身だしなみに気を配る大きな理由です。スーツやYシャツなども無難な色や柄を選択しているのも、第一印象でのマイナスポイントを回避するという理由からです。例えば派手なスーツで現れたセールスマンに対し、人によっては好印象ではなく「派手で金遣いが荒そう」というネガティブな印象を持ってしまいます。この印象は例えば金遣い荒い→支出が多い→稼ぐ必要がある→人を騙してでも稼ぐ、といった勝手なイメージの連鎖により最終的には「自分は目の前の人に騙される恐れがある」というネガティブな印象に到達します。こうなってしまいますとセールスマンが饒舌であればあるほど「自分はこの上手な口車には乗らない!」と抵抗する感情になり、いちいちセールスマンの会話に反対し、セールスが失敗し終了します。怖いことにセールスの会話の内容より、どのような人がどのように伝えたかという方がはるかに決断の判断材料になっています。しかもその理由は無意識・非言語です。次回はその衝撃の実験結果について(結構今では有名ですが)ご紹介しますね。