昨日2つの質問例を提示しました。相手の緊張感を緩和しその距離を縮めるにはどちらの質問が効果的でしょうか?

1:ちなみに休日はどんな事をしてお過ごしなんですか?
2:今日は雲一つない素晴らしい天気ですよね?

正解は1番です。正確に言いますと1番でも効果が得られない場合もまれにありますが、少なくとも2番の質問には上記の効果は全くありません。相手が「そうですね」と返して会話は終了です。これを私は「意図のない質問」と呼んでいます。さすがに前職の人間にはこのレベルの質問をするセールスマンはほとんどいないと思いますが、学校卒業したての駆け出しの若手セールスマンからセールスを受けると意外にこの「意図のない質問」を受けることが多いのです。この質問を受けた瞬間に私の心の中のシャッターは閉じてしまいます。若いセールスマンは気付いていませんがセールス終了です(泣)。何気ない質問形式の会話でも実はそこに明確な意図を持たせた会話をするのがトップセールスマンです。面談相手であるお客様はその質問形式の会話を進めていくうちに自分の事を気持ち良く話すようになり、最終的には好感を抱き次回のアポイントに積極的に応じてくれるようになります。

では、この1番の質問をした後、どのように展開していくかという事の例を簡単にご紹介します。当然どのような答えが返ってくるかわかりませんので、その答えを受けて質問を進めるという技術が求められます。これを「質問の深堀り」と呼んでいます。この辺りは普段担任として生徒さんと面談する機会の多い先生方の方が優れている技術ではないかと思っています。今更感があるかもしれませんがおさらいとしてお付き合いいただければと思います。

例えば「買い物」という答えが返ってきた場合は「どこに行くのか?」、「どんなものを買うのか?」、「お気に入りはあるのか?それはどんなものか?、そしてそれはいつごろからなのか?」などなど…

質問が上手な人と下手な人の差はこの「深堀力」の差だと思っています。下手な人の例はこんな感じ

セールスマン「A質問」→相手「A回答」→セールスマン「なるほど。B質問」→相手「B回答」…

こうなってしまってはこれは会話ではなく単なる質問です。これを繰り返すとお客様は「何で初対面のあなたの質問にいちいち答えなければならないのか!」と不快感を持ちます。こうなっては逆効果ですよね。質問の理由がお客様に伝わらないための不快感なのです。

長くなってしまいましたので、それでは次回月並みではありますが休日に「ゴルフ」と答えた場合を例に会話の展開例をご紹介します。