昨日は部長のリーダーズミーティングにおける質問のポイントの2つめである「どうして?どうしたら?」についてご紹介しました。本日は最後のポイントです。

(3)「他には?」と聞いてみる。

 その字の通り他にあるかどうかを聞いていくわけですが、これが意外に効く質問なのです。同時にこれは意外に使えていない質問技術です。ビジネス界でも実はあまりうまく活用されていません。しかし繰り返しますが効果は抜群です。

 昨日までの2つのポイントが習慣化できればそれだけでとてつもない進歩に繋がりますので、まずは前者の2つについて取り組ませてみて下さい。その上でこの最後のポイントは上級編とも言えるポイントになります。実際にどのように使うかを下記の通りご紹介します。

【部長】「どうしてそうなったと思う?(原因の追究)」→【リーダー】「●●だからだと思います」→【部長】「他には何が考えられる?」⇒【リーダー】「...▲▲もあったかもしれません」→【部長】「なるほど。他にはどう?」→【リーダー】「...うーん。◆◆も関係あるかも..」

 こんな具合です。いかがでしょう?最初の答えに比べ2巡目以降の答えは中々出てきにくいやり取りがこの例から判ると思いますが、この事は何を意味するのでしょうか? それは最初の答えは「答え易い答え」、或いは「準備した答え」である可能性が高いということなのです。ですからその答えが本当の原因とは限りません。むしろ当たり障りのない、又は優等生的な回答によって「回答の為の回答」になってしまっているケースが多いのです。そもそも物事の原因は一つであることはごく稀で、実際はいくつかの原因が絡み合って一つの結果に繋がっています。ですから「なぜ?」と聞かれて「●●です」とたった一回のやり取りで解決してしまう程単純な話ではないのです。

 生徒さんは「唯一の正解を導き出すタイプの勉強」を日々されてらっしゃると思いますが、実社会の問題は正解や原因を一つに絞れない事の方がはるかに多く、発想や考え、価値観等の幅をいかに広げられるか?がとても大事なテーマになります。この上記のやり取りでは「他には?」と聞かれて頭を絞って考えるリーダーさんの姿があります。これこそがとても大事な事なのです。

 そして「他には?」と聞かれ頭を絞って出した3巡目辺りの答えが実は本当の原因に近かったりします(笑)。それだけリーダーも固定観念に支配されているということです。原因だけでなく解決策(どうしたら?)についても他のリーダーにもどんどん質問していくと思いがけない発想などが出てきます。「他にはどんな解決策があると思う?」と皆さんに是非聞いてみて下さい。たった1か月位トライアンドエラーを重ねるだけで見違えるほどの思考力の幅が生まれることを保証します!是非お試しあれ!