おはようございます。「楽観的に構想を立て悲観的に計画し、楽観的に実行する」 再び稲盛和夫さんのお言葉です。ここ6回のシリーズで綿密な(悲観的な)計画を立てる上で障害になる3つのケースについての対処をご紹介してきました。結果的に細かく行動レベルまで因数分解できたアクションプランになっていれば大成功です。あとは「楽観的に実行」出来る為に必要な面談の締めについてお話しします。

1:アクションプランをその場で記録させる

 細かく因数分解すればする程アクションプランは具体的になります。その場で正確に記録しておかないと覚えておけるはずがありません。そこで、自身の目標とそのためのアクションプランを書いてもらいます。「次回までに書いてきて」とつい言ってしまうのですが、その場で書いてもらう事を強くお勧めします。何と言ってもやはり、一番熱量が高く、又正確にとらえられているのは正に面談終盤の「今」だからです。生徒さん自身が翌日以降に先延ばしした場合、この場でのやりとりを「こうだったよな」と思い出しながら書くことになります。

 「エビングハウスの忘却曲線」については以前取り上げましたでしょうか? それこそ私も忘れてしまいました(笑)。翌日にはやりとりの記憶の70%近くが忘れ去られてしまうという衝撃の実験結果です。この曲線に沿って考えると、さすがにアクションプラン自体は覚えているにしても、何故その目標に至ったか?或いはどのような経緯で修正になったか等細かいやりとりやそのニュアンスなどは忘れ去られている可能性が極めて高いと思います。 ですので一番正確に、しかも熱量が高い状態で書けるのは正に「今」です。ですのできちんとその場で書くことが出来るための「道具と時間の準備」を予めしておいて下さいね。道具はこの後ご紹介しますが時間の準備とは「予め最後に書く時間を確保した上で面談を進める」という事です。

その際、前回のやりとりで整理できた優先順位の順番に書く事も大事なポイントです。おすすめは同じ大きさの画用紙など部員全員で共通の用紙を用意することです。そしてペンやマジックで書いてもらいます。こうすれば目標とアクションプランが書かれた全員の用紙を見やすいところに掲示して毎日全員で確認できます。

2:そのアクションプランは随時修正可能であることを伝える

 一度宣言し、書いてしまったからといってそれで決定ではなく、アクションを起こしながらどんどん上書きが可能だという事を理解させて下さい。机上で考えたものでスタートしますが、実際にアクションを起こしながら実態に即したプランにしていけばよいのです。完璧なものを書こうとして中々ペンが進まない生徒さんには「修正・上書き可能だよ」と言って是非ハードルを下げてやって下さい。

残りのポイントは明日ご説明いたします。