おはようございます。昨日は【ネガティブな意見を歓迎する】といった事をセールスシーンにおける「お客様の本音」になぞらえてその失敗例としてご説明しました。お客様の本音に触れる事を避け、先送りしたために最後の最後で別な理由で反対され、結局本当の理由が分からないままセールスが終了になってしまうというよくある失敗例でした。

さて、全体目標について個人がどのように思っているか?ここの本音を訊き出せず、又個人自身もその本音を誰かに吐露する場面が無い場合、実はこのセールスの失敗例と同じような現象を起こしてしまいます。最初は波風も立たず普通に練習が進むでしょう。そのネガティブな不満は心の奥底にしまわれています。しかし本番が近づくにつれ練習の厳しさが増したり、或いは個人的な技量の壁が立ちはだかったりしてくると、その不満が噴出します。「そもそもこんな目標出来るわけないんだ!」、とか「今勉強の成績がイマイチなのは部活のせいだ!」とか..

しかし、当初目標に対しては「良いと思います」と言ってしまった為、今更その目標についての反対意見は言えません。本人もそれは判ってはいるのですがやはり心の奥底から不満は湧き上がります。結果的にどうなるかというと別な理由を付けて批判を始めるのです。これは前回のセールスシーンにおけるお客様が本当の理由ではなく断りやすい理由を付けるのと似ています。例えば「部長や副部長は厳しいだけじゃなくてもっとみんなの意見も聞くべきだ!」とか「あのリーダーは好き嫌いで人によって注意する態度を変えている!」とか..そして最終的にネガティブな人同士がつるむ様になって陰口大会が始まります。

こうなってしまうと、もう元に戻すのは非常に困難です。何しろ批判の表面上の事象を解決しても不満の根源は違う所にありますので、又別な不満を創出します。そして又陰口大会です。指導者側としてはこうなってしまうと改めて本人とじっくり話し合って本当の理由をじっくり聞きだすか、言葉は悪いですが「不満分子」と割り切ってこのまま突き進むかしか道はありません。 しかしどちらもそもそも望む状況ではなかったはずです。こんな状況にならずに済むためには、まずスタートの時点でじっくり本音で話し合うという事が必要です。そしてその前提として「ネガティブな意見を言ってくれる有難さ」に気付く必要があるのです。ネガティブな意見は発言する個人側にとってもリスクがありパワーが要る行動なのです。そこを越えて発言してくれた個人に感謝し、正に【ネガティブな意見を歓迎する】必要があるのです。