おはようございます。昨日は目標達成には前提が大事で、それができれば7割方成功したようなものだとお話ししました。そしてその理由の1つ目として当事者意識を持つことでそれまでにないタスクの列挙が可能になる旨の説明をしました。今日は2つ目の理由をご紹介します。
昨年のブログでも少し触れましたが我々には誰しも慣れ親しんだ環境によって「心理的盲点」というものが出来てしまっています。心理的盲点とは何か?これは目には見えているが意識が向けられていない為そのままザルのように素通りして意識に入っていかない事象を言います。例えば車に全く興味が無い人にとっては、街中を歩いていてもどんな車種の車が走っているか?等は全く意識に入っていかないと思います。確かに目には入っています。しかしその人にとっては車は「事故を避ける為に気を付ける対象」位の意識なのでしょう。危険が回避出来ていると判断した瞬間にその情報は全て消去されてしまいます。
しかし、状況が変わりその方が急遽軽自動車の購入を検討することになったとします。その途端街中の風景は一変し、実は街中は軽自動車で溢れている事に初めて気が付きます。今度は軽自動車のメーカーや色など細かい情報も意識に入ってきて、「今はこの色がトレンドなんだ」とか「〇〇社の車がやっぱり多いな」といったように、その情報が思考と気付きの判断材料として機能し始めるのです。このように 環境(状況)が変化したことにより本人の重要性も変化した結果、心理的盲点が一つ崩壊することになったのです。
さて、話を戻しますが目標達成のためにその前提が大事である2つ目の理由はこの心理的盲点の存在です。従来のコンフォートゾーンにいる限りはそのゾーンの心理的盲点に支配されていますので上のレベルに行こうとしてもその術を知りません。と言うよりも実際はその術はいくらでもあるのですが意識に入っていかないのです。皮肉にも表面の意識は「上に行くぞ!」と叫んだとしても無意識のコンフォートゾーンはその状態を維持することが重要ですから、先ほどの軽自動車の例と同様「重要性が無いものはスルーする」という状態になります。つまり今のレベルを維持すること以外は重要性が無いため、その情報はシャットアウトされている状態になっているという事なのです。
ところが先日のお話の中で【決意し、それを周囲に話すアクション】を紹介しました。これを実行すると協力者が現れます。そして協力者の力も借りて上昇のエレベーターに乗ることが出来るとお話しました。こうなりますとコンフォートゾーンは上に移動しますので「見える景色が違う」と表現しましたが、正にその通りで、先程の「いきなり軽自動車が街中に溢れて見えた」現象と同じような変化を経験します。心理的盲点が外れた瞬間です。今まで会いたかった人に会えた。会うべき人が実はすぐ近くにいた。このような状況は心理的盲点が外れた事によって起きる典型的な現象です。そしてこのような方からアドバイスを頂いたり練習を見学させてもらったりすると「そうだったのか!」、「こういう感覚なんだ!」といったようなことが雪崩の様に意識・無意識共に入ってきます。従来のコンフォートゾーンにいる時には何か月にもわたって一人考え悩んでもわからなかった事が正に一瞬で分かる(感じる)ようになります。 そしてこの環境を当たり前のものと出来るよう慣れ親しんでしまえば、もはやそこが自身のコンフォートゾーンになります。
このような状況まで持っていく事に成功したら、あとはその新しいコンフォートゾーンに収まる為の練習を具体的に考えていくだけです。新しいコンフォートゾーンに収めるためのホメオスタシスが働きますので、自動的に引っ張り上げる力を使えますので無理な練習や過度の練習はする必要はありません。しかも従来の心理的盲点は既に外れていますので、全く違った案・策・人を導入できます。
いかがでしょう?昨日と本日でご紹介したこの2つの理由によって「前提が(成功要因の)7割」である事がご理解いただけましたでしょうか?あとはその目標到達によって起こる事や、そこに至るまでの過程を日々確認し生徒さんに浸透させていけば目標達成に大きく近づきます。ここまで意識の前提が出来ればアファメーションや紙に書き出したりといった行動はとても効果的なものになります。是非日々の練習のシーンでそのイメージがあたかも現実であるかの如く浸透するようにサポートしてあげて下さい!
さて、とても長いシリーズになってしまいましたが、コンフォートゾーン打破については以上です。ここまで揃った上での全体目標はそれ自体にあたかも命が宿っているかの如く、活き活きとしたものになっている事でしょう。ここまでできれば全体目標は完璧です! あとはその目標を個人に落とし込んでいく作業が始まります。続きは明日お話しします。