おはようございます。全体目標から少し外れますが前回お話ししたコンフォートゾーンをあえて打破するにはどうしたらよいか?についてお話いたします。

自分たちを変えて高みに到達しようとする行為にとっては厄介なコンフォートゾーンですが、そもそも自分達らしさを維持する機能は、ある種生物学的な本能であるとも言えます。先日の新入生の実例で触れましたが、例えばその団体にやっと馴染んだと思った頃のある日。全体目標を決めたその翌日に部活に来てみたらガラッと雰囲気が変わり別団体になっていたらびっくりしませんか(笑)?生物学的には安心できる為に「昨日と同じ自分(達)」であることが大事なのです。そしてそれだけ無意識領域であるコンフォートゾーンを変えるのは難しいといえます。

セールスマンを指導していた時代の話しですが、あるセールスマンは私との面談後「自分を変えて頑張ります!」とモチベーション高く飛び出していきます。そして2~3日はとても充実した活動量になりますが、その後徐々に失速していき結果的には2週間もすればすっかり元の自分に戻っています(笑)。しかし彼は決して嘘をついたわけでもなく、又根性が無いという事でもありません。頭や意識では「自分を変えたい!成績を向上させたい!」と確かに思っているのです。しかしコンフォートゾーンが【自分らしい日常】に戻しますので、意識が強い2~3日はもちますが、その後徐々に本来の自分に戻そうとする力(これをホメオスタシスと言います)に呑み込まれていき、元のコンフォートゾーンに収まる。という図式です。

実は世の中の成績が伸び悩んでいるセールスマンの苦しみは、ほとんどがこの点にあります。つまり「頑張りたい!成績を上げたい!」と思い行動に移しても長続きせず、結局元の自分に戻ってしまう。上司や会社、そして自分自身もその原因を【気合と根性】や【意志の強さ】に求めます。そして「お前(自分)は根性が無い」と言われたり自分で責めたりするのです。しかし根性があったり意志の力が強い人でも、せいぜいその2~3日が、1~2週間に伸びるくらいの違いで、結局2か月もしたら元に戻ります。強く叫べば叫ぶほどその後の戻った自分とのギャップに苦しむ。この乖離の苦しさこそが世の中のセールスマンの悩みの大半なのです。

このようにコンフォートゾーンを変えるのは簡単にはいきません。しかしそれは「そのまま変えようとした場合」の前提です。そこに工夫があればコンフォートゾーンを変えていくことが出来ます。明日はその具体的な工夫に触れていきます。