前回まで数回にわたって楽譜の見方の私なりの考えをご紹介してきました。やはり練習を進めていく指導者側の先生やリーダーが「何のために練習するのか?」「今日の合奏は何のために行うのか?」などの明確な目的を持つという上で避けて通れない課題かと思いましたので、極々簡単に触れさせていただきました。著書でも触れていますが、私は物事の成長は次の4ステップのように進んでいくと考えています。
1:意識していない(わかっていない)からできない→2:意識していてもできない→3:意識していればできる→4:意識していなくてもできるようになる
このステップの中で一番重要なのがフェーズ1から2へのステップアップだという事も申し上げました。指導者側が「あるべき響き」と「現実の演奏」のギャップを理解すれば練習は機能的に進むと思います。現実の演奏も必ず録音しブログの初回でも述べたようにその二つの演奏を聴き比べるうちに聴力が飛躍的に育ちますので次回の合奏での指示は驚くほど機能的かつ効率的になります。ぜひご期待ください!
プレイヤーの方にとっても実は「大譜表で曲の響き・構成を理解する」→「スコアを色分けしそのグループがどの楽器に振り分けられているか理解する」といった作業はとても財産になります。時間が許すのであれば是非トライしてみて下さい。これが理解できると、例えば先生が不在の日等、同じ色のグループの別パートと合同でその箇所を練習すればとても効果的ですし、大譜表と模範演奏から響きを理解しているのであれば、それぞれ違う色の代表者と数人でミニアンサンブルをするのもとても良い気づきがある練習です。いずれにしても自身のパート譜は単なる譜面でなく全体の曲を構成している一部分であることがより理解できますのでトライしてみて下さいませ。