面談の目的の3つめになります。それは「自分や周りが面談相手に対して期待していることを告げ、本人に自覚させる」事です。正直「そんなに大事なことか?」と思われる方も多いのではないでしょうか?実際前職時代の面接でもこの目的のパートを「つい省いてしまう」と答えた管理職の同僚も多かったです。

しかしながら、この目的はある意味4つの目的の中でも最も大事なパートであるともいえます。なぜならば面談相手の生徒さんが「自分は何のためにこのチームに属し、頑張っているか」といった根源の箇所に触れる部分であるからです。勿論このあたりは無意識の領域ですから普段気に掛ける事もないのですが、その部分を改めて「気付かせ・承認し・応援する」という合意が取れた瞬間から面談相手の方のモチベーションは飛躍的に向上します。それは無意識領域ではありますがまとめますと「このチームにおける自分自身の存在意義・存在価値に気付き自信を持った瞬間」になるからです。

試しに想像してみて下さい。皆様ご自身が上司や組織のトップとの面談の際、その場で「正直あなたには全く期待していません」と言われたらどうでしょうか?「よーし!期待してもらえるように頑張るぞ!」と張り切れる人はほとんどいないのではないでしょうか?私自身もそうですが(笑)、「なんだ、このチームに期待されてないんだ。このチームにとって自分は必要のない人間なんだ」とふてくされてしまう方が多いのではないかと思います。

こういったやりとりをご紹介すると「やっぱり褒めて伸ばすのが大事なんですね」という風に仰る方もいますが、「褒める・叱る」とこの「期待を告げる」は同列に収まるものではありません。メンバーに対する期待は全てのメンバーに対し個別に持っている事がリーダーとしては絶対条件になります。もし期待が無い、もしくはあやふやになっているといった場合はそれはメンバーの責任でなくリーダーの責任です。リーダーはメンバーに対して期待をキッチリと告げ納得してもらった上でその期待に応えてもらうために「褒めたり・叱ったり」するのです。

以上から「期待を告げる」ということは、活動の根幹の部分にあたるとても重要なパートであることがご理解いただけたと思います。にもかかわらず前職時代の管理職仲間でもその部分を飛ばしてしまうというケースが多く見られます。何故でしょうか?そこには心理的盲点が隠されているのです。次回はその盲点の部分をご説明したいと思います。