前回敵か味方か?(心を許すか、警戒するか?)の判断基準は無意識に2つの要素で決定していると申し上げました。今回以降は個別に事例を挙げていきます。まずは1つ目の「自分と同類項の人間か異質なタイプの人間か」という要素についてご説明します。
実はこの点については、バンド指導の先生は少しビハインドがあると思っています(ただしそれが良い事なのか悪い事なのかはわかりません)。つまり先生と生徒、指揮者と演奏者という立場の違いは大きく、正に「異質な関係」といえます。ではこの要素から相手の警戒心を解いて委縮させず本音をしゃべってもらうことはできないのでしょうか?結論を申し上げますと少し工夫が必要であるとは思いますが決して不可能ではないと思います。オンとオフを使い分けるとか、生徒さん達が今夢中になってる事やTVドラマの内容など、相手の興味に合わせて話材を確保することだけでも大分効果があります。
セールスマンはこの作業を正に初対面の「アイドリングトーク」で行っているのです。①が付いた今回の表題ですがいきなり結論を言いますとセールスマンのアイドリングトークの目的は「自分自身と顧客の同質化」という事になります。ここに成功すると目の前の顧客はセールスマンである自分を「同類項の人間である」と無意識に感じ本音を話し始めてくれるのです。こうなればセールスの半分は成功だといっても過言ではありません。逆にここに失敗するとよほどタイミングが良いか商品に魅力があるとかではないと販売には至りません。
それでは目の前の人間を同質か異質かを判断するファクターについて具体的に次回以降述べていきます。