おはようございます。前回はネガティブな意見を引き出し切る事についてお話ししました。ネガティブな本音を言った(言わせた)事の効果は、本人にとっても指導者含めた部全体にとっても、それだけでもとても大きいのですが、その本音をキッチリと承認した上でアドバイスすることによって、お互いに素晴らしいスタートを切ることが出来るようになります。今日は「同質か異質か」のシリーズでご説明した内容の復習になりますが、大事な所ですので再びお伝えしたいと思います。

まずネガティブな本音が吐露された時の指導者側の反応がとても大事です。キーワードは【共感】・【承認】です。面談相手の方がネガティブな本音を言った直後「え?どうしてそう思うの?」なんていう返しは絶対にNGです。「いや!それは...」と反論するのも然りです。 まずはじっくり間を取って頷きながら「それはそうだよね~。確かにその通りだと思う」と一度100%受け入れて下さい。そして十分に時間を取って咀嚼した後で「確かに仰る通りだと思うよ。ちなみに〇〇さんはどうしてそういう風に感じたの?」と質問形式に変えていきます。そうすると徐々に発言が建前から感情や好みの分野にシフトしていきます。そして相手の本音が続いて出てきて核心に触れたと感じたら「ちなみにその点が全て解決できたとしたらこの目標はどう思う?まだ他に心配な点・不満な点は他にある?」と続けます。相手が考えて沈黙しても辛抱強く待ちます。

ここでの指導者側の大事なスタンスは、ネガティブな事を言った面談相手を体制側の代表として説得するというものでなく、もっと高い位置から第三者的なアドバイスをするというものであることです。そして最も大事な事は「あなたの味方」である事が相手に伝わる事なのです。

このやり取りが成功するとネガティブな意見を言った生徒さんは意を決して言ったネガティブ意見が100%同意してもらえた。その上でアドバイスをもらったと考えるので、そのアドバイスの考え方に従おうと考えるようになります。1回では厳しい場合も、上記の様に「他にも心配な事はあるでしょう?どんな事?」と訊いた上で又同様に承認し、その上でアドバイスをする。といった事を繰り返す内に面談相手の感情は完全に同調してくれるようになります。

この手法をセールススキルでは「Yes-But法」と言います。反対意見を述べる商談相手の顧客に同意し、寄添い、最終的に同意して頂くテクニックです。冒頭で述べましたが当ブログの【同質か異質か】のシリーズをお読み頂ければその具体的なやりとりの例は掲載してあります。又個別に「どのようにしたら?」という疑問がありましたら、当サイトのQ&Aにお問い合わせ下さいませ。